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住宅ローン付不動産の財産分与

離婚にともなう財産分与で頭を悩ますのが、住宅ローン返済中の不動産がある場合です。
以下、いくつかのケースについて、検討します。

不動産を売却する場合

住宅ローン付不動産の財産分与として、最も合理的な清算方法は、不動産を売却して売却益を分ける方法と考えられています。

  1. 不動産を売却する
  2. 売却益から住宅ローン残債務を返済する
  3. 返済後の残額を均等に分ける

均等に分ける点について

財産分与の割合は、近年の実務においては、原則として1:1の割合にする傾向にあります。
かつては、専業主婦の場合、3~4割程度とされることが多かったようですが、主婦の家事労働があってこその夫の収入と考えられるようになり、平等に分配されるようになりました。
もっとも、家庭裁判所は財産分与にあたり、一切の事情を考慮できるので(民法768条第3項)、異なる割合を認めた裁判例もあります。
また、不動産購入の頭金として親からの相続や贈与を受けた特有財産をあてた場合には、その分を考慮して分けた方が平等といえるでしょう。

住宅ローン債務を返済するとマイナスになる場合

近年地価が下落し、購入時より不動産の評価額が下がったことで、不動産を売却してローンを返済しても、まだ負債が残る場合があります。
この場合も、負債を均等に分けるのが公平といえるでしょう。

しかし、離婚後収入の少ない当事者が、負債を抱えて新しい生活をスタートするのは大変です。
一般に妻の方が収入が少なく、また、子を引き取ることが多いでしょう。
この場合、子どもの生活のことも考えて、できるだけ、収入の多い夫に負債を多く負ってもらうよう、交渉しましょう。

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不動産を売却せず、夫婦の一方が住み続ける場合

離婚後も夫婦の一方が住み続ける場合には、不動産の所有権者、固定資産税やマンション管理費等の費用負担者などを、取り決めておく必要があります。

また、夫が住宅ローンの残債務を負担して、妻と子がその不動産に住み続ける場合には、ローンの支払いが滞った場合に強制執行ができるように取り決めておくことも重要です。

不動産の所有権を一方に譲渡するケース

たとえば、財産分与として不動産の持分を妻に譲渡したうえで、住宅ローンは夫が支払うケースなどです。この場合、一般的に、清算的財産分与だけではなく、慰謝料的財産分与や扶養的財産分与の要素も含まれていると考えられます。

債権者である金融機関は、ローン期間中の名義変更や所有権譲渡について承諾しないことが多いので、ローン完済を条件に所有権を譲渡する方法をとることになるでしょう。
この場合、ローン完済が随分先になることがありますから、条件付所有権移転仮登記をしておくことをおすすめします。

ローン完済後の移転登記手続は、共同申請が原則ですから、何年か先に連絡を取り合うことになります。

不動産を無償または有償で使用させるケース

財産分与として、一方に無償または有償で使用することを認めて、不動産の居住権を与えるケースです。
無償の場合、使用期間の終期を設定しておき、例えば、「妻が再婚するまで」とか、「子が大学を卒業するまで」等としておくとよいでしょう。

その他のケース

以上のケースの他、ローン付不動産が共有名義になっている場合の問題もあります。
また、事情によっては上記内容が当てはまらないケースも想定されます。

住宅ローン付不動産の財産分与の問題については、様々なケースがありますので、お困りごとがある方は個別具体的にご相談ください。詳しく

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